母校・福岡高校の近況につきまして
着任の御挨拶
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第28代校長 合屋 伸一 |
この度の人事異動により、三月末で定年退職された井上拓夫校長先生の後任として、光陵高校より着任いたしました合屋でございます。
私は高校32回の卒業生で、縁あって母校の校長を務めさせていただくことになり、喜びとともに身の引き締まる思いで再び福高の門をくぐりました。
思い返すと、教職についた初めの頃、「母校の教壇に立っても恥ずかしくない教員になろう。」と思いながら、教材研究をとおして自らの授業を磨いていた日々がありました。
結局は、福高生に数学の授業をする機会には恵まれず、職場としての福高は今回が初めてとなります。
転勤が決まってから、多くの同級生が電話やメールで、「おめでとう」と自分のことのように喜び、祝ってくれました。
四月九日の入学式では、式辞の中で新入生に対し、「皆さんひとりひとりが持っている優れた能力や個性など、きらりと光る何かは、ひとつとして同じものはなく、それらは他者との交わりの中で磨かれ、逞しさやしなやかさを持った輝きを放ちはじめるものなのです。人としての魅力を伸ばしていく機会は、学校生活の中にたくさんあります。また、人との交わりは何ものにも代えがたく、人生を豊かにしてくれます。私自身も本校の卒業生であり、本校で出会い、卒業して四十年近い年月が過ぎた今でも続いている、さまざまな分野で活躍している友人たちとの交流は、私の人生を豊かなものにしてくれていると断言することができます。」という話をいたしました。
少子高齢化の進行など現在のわが国が抱える課題だけではなく、未知の課題が次々と押し寄せてくるという予測を背景に、高大接続改革などの教育改革が進んでいますが何よりその中核にあるのは主体的な学びによって培われる思考力・判断力・表現力です。
この主体性は、学習だけでなく学校行事や部活動・生徒会活動などをとおして福高生に脈々と受け継がれているものであり、本校の特色がさらに活かされることになると確信しています。
節目である百周年の次の年に、卒業生が校長として着任した意味を自ら噛み締め、中長期的な視野で、本校が未来に向けた着実な一歩を踏み出せるよう尽力してまいりたいと考えています。
同窓会の皆様におかれましては、これまでと変わりないご支援とご協力のほどよろしくお願いいたします。
おわりに、福中・福高同窓会の益々の発展と会員各位のご活躍・ご健勝を祈念いたしまして、着任のご挨拶とさせていただきます。
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